うず高く積まれた段ボールの山
干し忘れて濡れたままの洗濯物
記憶だけが漫然と増え続ける脳ミソ
時だけが澱みなく消えてゆくよ
気づかぬうちに伸びきった髪を切る
次に切るまでに僕は何をするだろう?
捨ててゆく 捨てた気になってゆく
吐き出した言葉はなくなりはしないのにな
期待に応えるつもりはもはやない
つまらないことを誇るのにも飽きた
面白みってなんだよ
僕は何にもなりたくないんだ
七月でめくるのをやめたカレンダー
切れたまま取り替えそびれてる電球
知らぬ間に間に遠ざかっていく人たち
易きに流れるのは楽だな
気づかぬうちに伸びきった髪を切る
そこにあった時間で僕に何ができたろう?
潰してゆく 生きているような顔をして
溜め込んだ嘘に 今度は僕が潰されるのだ
誰かに好かれるつもりはもはやない
置いてけぼりでひとり眠るのにも馴れた
価値ってなんだよ
僕はどこにも属したくないんだ
自分を是とするつもりはもはやない
心の拠を探すのもやめた
人間味ってなんだよ
人間なんかになった覚えはねえぞ
うず高く積まれた段ボールの山
干し忘れて濡れてる洗濯物のように
すべてに無造作であれたならば
心を置き去りにできたならば
僕はもっと幸せになれるのかな
なれねえだろ
生きてるんだよ
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