理想のヘロイン
それは誰もが欲するものである。
本日はその魅力についてお話しよう。

私は夢を見ていたのだろうか。
そこには素晴らしく咲き乱れる芥子の花のような美女がおりました。
彼女は私を誘惑してきた。ホイホイとついていった。
すると、パアッと魔法にかけられたかのように体が軽くなり、宙に浮いているかのような気分になった。
それからというもの彼女無しでの生活が考えられなくなった。
ひとときも離したくない。
その気持ちでいっぱいだった。
彼女のいない日があれば身を裂くような痛みを覚え、自らを呪いたくなる程である。
しかしそんな幸せな日々は長くは続かなかった。
ある日私は突如彼女と引き離された。
何者かが私の体を捕らえ、また別の者が彼女を拉致していった。
「ナニヲスルハナセ、ハナセ」
抵抗も虚しく私たちは離ればなれにさせられた。
私は絶望した。
あの白く輝く彼女が二度と見られなくなるのか?彼女無しの人生は考えられない。
仕事もなにもかも全て彼女のためだった。
よし死のう
こんなつまらん世界にはいる理由がない。
死んであの世で幸せになろう。

こうして私の美しくも儚い人生は閉じたのであった。


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