しもくり登場
「
僕は、しもくり。
テーマはからあげ。
別に悪意はないんだけど、
ジョブズが、ジョブズが、
豚どもに一杯喰わせてやりたかったんだ
きっと困ってるだろう
最高だよ
→しもくりはB組へと向かった。
(てかさー、からあげってなんなの、フフフっ 訳わかんないんだけど)
早速ご登場だ
入口付近におかむら
あの野郎
居やがったな
身の程をわきまえろ、雪男が・・・!
本来ならブリブリブリブリ足蹴にしてもらってる所だぞ畜生。
あんまだあんま
世界一面白くない男だ?
俺は絶対許さんぞ
絶対にだ
クソッタレ
なんとか言ってみろ。
(からあげってさー、あれじゃん。結局鶏じゃん)
「あ?
・・・
あ!? あああ??」
なんだとこの野郎
ふざけるなよ
糖分が足りんぞ我慢ならん
まさかそこからチキンなんて言うんじゃねぇだろうな
おかしくなっちまうぞ
許さん許さん許さん
ああもう気分ドロッドロだ
体中ドロッドロ
頭とろけちゃうよ
(え・・しもくり今なんか言った?ヘヘッ)
なんでこいつ笑ってんだ
え?
もうこいつぐちゃぐちゃになる以外の選択肢はないな
「へへっ」
もう終わってんな
”へへっ”ってさ
なんだこいつ
死ぬ時も”へへっ”って死ぬのか
それもいいな
それまで鞭打ってやる
体中ピュアピュアになるまで鞭打ちだ
死因は鞭打ちにしてやらないけどな
(てかさー)
お?まさか・・・なんだ例のくだらない所に行くんだな?
大丈夫なんだな?
おお!くるか?くるか?チキンくるか?チキンくんのか?
そーれ、ワッショイワッショイワッショイワッショイ
みんなでいっしょにワッショイワッショイ
ヤァ〜〜〜〜!
「ギャァアアアアアアアア!」
(鶏ってもうチキンじゃん、クフフ)
「クアアアアアアーーーーー!!!!!クワーーーーーッ!!」
--
バグッ
--
「え?」
雪男と喋っていた川崎は何か変な音を感じて振り返った。
すると隣のクラスの人間が頭から血柱をぶっ飛ばしながらこちらを向いている。
「え?ちょっえええ?」
ヘタレが平凡以下の反応を見せる間にしもくりの全身が錆びた鉄骨の様に一気に赤黒く変わった。
目は坐っている。
「クァッ」
一瞬発作のような啼き声を出すと160㎝の巨体はいきなり襲いかかってきた。
「ええっ」
「アァ!」
甲高い声とともにしもくりがガッとヘタレを掴み、
いきなり頭から食らいついた。「アアァ!」
バクリッ
バクリ、ゴキッ、ゴクッ、ムシャ、ヌチャ、グチャ。
教室にいた人間全員が呆然とする中、あっという間に男の全身がしもくりの腹の中へと消えた。
「ウゥ・・・」
体積の増えた赤黒い肉体を苦しそうにブルブル震わせると、
しもくりはブツブツと何かを唱え始めた。
「イモキ、ネキク、プリピット・パロ・・・イモキ、ネキク、タキマ、トンデリポ・・ペペ、イサクツケ・・」
呟きながら血走った眼をこちらにぎょろりとさせる。
と、突然四つん這いになり教室を猛スピードで駆け回りだした。
「うわっ??、うああああああああああああああああ!!!」
一瞬で押し寄せた恐怖に訳も分からず逃げ交う生徒たち、そして四方八方に駆けるしもくり。
我先にとドアから逃げようとした生徒をしもくりの右腕が掴むと凄まじい力で窓枠に叩きつけた。
叩きつけられた生徒はゆっくりと床に滑り落ち動かなくなる。
「ひっひぃぃぃぃぃ!!」
しもくりはそこでぴたりと動きを止めた。
「!?・・・・!??」
異常な光景の連続に、恐怖に慄く生徒たちが見つめる中、
動かない生徒に覆いかぶさる。巨体がまた苦しそうに動いた。
ボズッ!
ボズッ!ブポッ!
突然しもくりの大腿の内側から何かが音を立てた。
「!?・・・・・!?・・」
グッ・・・ポッ、ボボッ、ガボボボボジュボッ、ボトン!
何やら白くて大きなものが吐き出された。
動かない。
「え・・・・っ・・なんだよ・・ア・・アレ・・・」
鶏肉だった。
--
「ちくしょう・・・ちくしょう・・・
どいつもこいつもなめやがってチキショウ・・・・
もういいよ、転がってやるよ・・・!」
しもくりはヌルヌルだった。
「畜生め、畜生め、なんで俺がこんな・・・バビロン!!」
しもくりはいきなり飛び上がると全裸のまま宙を走った。
机に駆け寄る。
「まだまだこんなもんじゃねーぞ。覚悟しとけ
ウハハハハハハッ ウーハッハッハッハ!!」
しもくりの笑い声が残響し、それを悲しそうな顔のおかむらが見守っている。
「年中無休、24時間のハイドロポンプだ!!」
--
教卓の中から鍋が現れたかと思うと、しもくりは両腕で鶏肉を思い切りバラバラにしはじめた
鍋の中には自分の鼻の油をしぼりだし、唐揚げの用意は万端だ
ビチビチッビチビチッ
「うひひ・・うひひ・・これって実は川崎なんだよな・・ひひっ」
とブツブツいいながら作業をすすめるしもくり
節くれだった指を鳴らすと黒い油がプツプツと温度を上げていく
川崎の化身はまさに揚げられんとす
「しかしそれにしても料理って楽しいんだな・・・いやこれ単純だけど面白いよな・・・なにかを一生懸命作るっていうのは・・・・ひひっ、ひひっ」
ガラッ
戸が開いた
・・・・・・・・・ドサッ!!
入ってきて部屋の光景を見た瞬間、
担任は憤死した。
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福田である。
はじめからそこに居たように福田は笑い出した。
「フハハハハハハッ・・・・・・・ハハッ」
首を後ろに傾けるとガクンと上あごが開く。
「メェェェェ!」
福田がさらに羊のような声を上げ、
両手のひらをさっと上に向けた瞬間・・・・
おかむらは逃げ出した。
「ひみこさまー!!」
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笑止、笑止、笑止。
クソッタレめ。
ピーポーピーポー騒ぎやがって
畜生め。くらむぼんの畜生め。
しもくりは舌打ちした。地団駄を踏んだ。
あの畜生を探しに行ってやる。
しもくりは持っていたせんべいを握りつぶした。
そしてどこからともなく腸液を指に絡ませると
落ちていた肛門に突き刺した。
その穴はビクビク震えたかと思うと、
一気にマリアナ海峡を噴出した。
しもくりは苦笑いすると濁流に鼻を投げ込んだ・・・
下栗は憤死した。
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まじかよ
まじかよ畜生
畜生ってなんかいいうんだよ俺は
ホント腹立たしい
もうなにもかも気に入らないぞ
唐揚げ唐揚げってもう
ジョブズこそ引き回しだ
偽ジョブズめ!
冥界の王を呼んで死体と区別がつかないようにしてやる
なんとか言ってみろ
π秒毎に痙攣しやがって
おかしくなっちまったのはどっちだ
ははっ
俺はまだ生きてるぞ
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*唐揚げはスタッフがおいしくいただきました
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