第一章:出会い、そして別れ
人間、中身がどう、外側がどうとか言うが、外側が綺麗な人間は中身も綺麗なんだ。
俺はそれを身を以て知った。
美人の体の中は美しい。
愚かな人間どもには分かるまい。
でも、俺には分かる。
なぜなら、美女の体の中にいるからだ。
そう、俺はうんこ。
彼女の体の中で俺は生まれた。
本当なら人間の体なら1日程度で通過するのだが、彼女は便秘だった。
これが奥ゆかしい女性のあるべき姿というものだ。
しかし、便秘とはいえ2週間もしたら俺は外界に出なければいけない。
俺はなすがままに美しい白い便器の上に落とされた。
その時、俺は初めて彼女の菊門を見た。
美しい
ただただ目を奪われるばかりの美しさだった。
こんな美しい菊門見たことない。
というか、菊門自体初めて見たのだが。
だが、後続の仲間に俺の視界は遮られ、そして彼らとともに暗闇の中へ落とされた。
何故か、彼女は俺たちを流すとき、悲しそうな眼をしていた。
俺達にまで感情移入するほどやさしい人なのだろう。
そして、その憂いを帯びた顔は予想通りの美人だった。
流されながらも、俺はあの穴を忘れられなかった。
そして、もう一度彼女の体内に戻り、排泄され、それを拝みたいと思った。
しかし、これは仮初の恋。
俺には叶わぬ夢だった。
流れに身を任せていると、気付けばそこはもう下水処理場だった。
俺の命はもうすぐ消える。
さよなら・・・菊門・・・
第一話ED
http://www.youtube.com/watch?v=UROuSCpod4w
第2話:君に逢いたい
さよなら・・・菊門・・・
その時であった。
—君の願いはなんだい?
え?
—僕は君の願いを何でも叶えてあげられるんだ。だから・・・
僕と契約して魔法雲子になってよ!
・・・願いをかなえてくれるって、それ本当?
—もちろんだよ!さぁ早く契約してよ!
ちょ、ちょっと待って。君は誰?
—僕の名前かい?きゅうべえ〜だよ。さぁ早く契約してよ!
わ、分かった。
—よし。じゃあ君の願いは何だい?
俺の願い・・・俺は・・・・・・・・・もう一度あの人の肛門を見たい・・・。
—よ、よし、君の願い受け取ったよ。
その瞬間、俺の体は光に包まれ、意識を失った
(ここらへんまどマギ見てないから適当。スマン。)
どれくらいの時間がたったのだろうか。
目を開けるとそこには俺の思い描いていたケツ穴があった。
だが、ここは便器の上。
また俺は流されてしまうのだ。
これだけの為に、俺はあの得体の知れないきゅうべえ〜とやらと契約をしたのか。
そう考えると、菊門を見ることができた嬉しさも余り感じられなかった。
だが、このもやもやは何だろう?
うんこなだけに何か奥でつっかえている様な気分だ。
何かが違う。
あの日見た菊門と何かが違う。
彼女や肛門が違うのではない。
俺が変わってしまったのか?
じゃあ、何が?
そう考えているうちに彼女は立ち上がった。
このモヤモヤは何なのか。
それは水に流されてしまうのだろうか。
だが、彼女は水を流そうとしない。
こっちを見てにっこりと笑っている。
笑顔も美しい人だなぁ。
そう思っていると、彼女は俺に手を伸ばしてきた。
今気づいたが、俺は何故か水につかっていない
そればかりか周りはベッドや様々な家具に囲まれた普通の部屋である
そう、便器ではなく俺は白い皿の上にいたのだ
彼女は俺を手にし、それを躊躇なく口の中へ運んだ
俺は彼女の美しい白い歯に咀嚼された。
興奮した。
そして、ごくりという音と共に、飲み込まれた。
道中、なぜ俺は前回、食べられなかったのかを考えていた。
おそらく2週間も体内にいた俺は発酵していたのだろう。
それなら彼女のあの憂いの表情の意味も推測できる。
そして、好きな人の好みのタイプであった様な嬉しさを俺はかみしめていた。
俺はその時初めて彼女の小腸より上の臓器を通った。
それは自分の存在の根源に触れる機会だった。
そして、自分の生まれ故郷・・・小腸に辿り着いた
そこに着いた時、俺は妙な充足感に包まれた。
ほっとするような、温かい感触だった。
俺は初めて故郷というもののぬくもりを知った。
もうすぐ彼女の体内との別れが訪れる。
でも、それを悲しいなんて思わない。
またすぐ帰ってくることができるのだから。
俺は菊門が目の前に差し掛かった際、こう呟いた。
行ってきます。
第2話ED
http://www.youtube.com/watch?v=V4Xvc5nBf08
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