何をすることもできず、裸で泣き叫ぶ少女を目の前にして快感をえたのは二度目だった。
 青年は故郷のある少女を思い出していた。
 少女はいつも青年の後ろをついてきた。彼女は青年の全てを愛し、青年の全てを受け入れていた。青年も少女の淡い恋心を理解しており、いつしか好意を抱くようになっていた。
 しかしその想いは屈折した形で現れることとなった。
 ある日川辺で散歩をしていた際、青年は少女を押し倒した。
 初めて少女は青年に対して拒絶を示した。青年の理性は失われていた。彼は無理やり少女を押さえつけ、欲望に身を任せ、そして少女は妊娠した。
 泣き叫ぶ少女の姿が、抵抗しようとしても何もできず、ただただ涙を流し、声を上げることしかできない少女の姿が、彼の心を打った。
 それが一度目のことであった。
 彼は自らの行為に絶望し、二度とこのようなことをしてはならない、と自分に誓った。

 しかし、現在、彼は二度目の悦楽を抱いていた。

 かつての少女が青年の前で涙を流していた。
 そして、もう一人、裸で泣き叫ぶ少女がいた。青年はその少女をじっと見つめた。
 湧き上がる喜びは抑えられなかった。

 「元気な女の子ですよ」

 青年は生まれたての娘を抱きしめ、一筋、涙を流した。


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