無残に飛び散った肉片。
靴に当たる緋色の血溜まり。
無数の死体の中に俺は立っている。
他人の命を捨石にして俺は今も生き延びた。
罪の意識はない。
俺は死なないためなら、誰を犠牲にしてでも戦う。
そう、死なないために生きる。それが今の俺。
いや、いずれは死ぬ。それはわかっている。生きていれば必ず死ぬ。
俺は永遠の命を得たいなどと思っていない。
ただ反逆し続けたいのだ。
俺を嘲笑う奴がある。
独り善がりな論理を広げ、俺を非難する奴がある。
彼らのうちの誰のことも、俺は否定しないし、見下しもしない。
ただ、そんな奴らよりも先には死んでやらねえ。
最後に笑う気なんぞさらさらないが、誰かを最後に笑わせることは耐えられねえ。
だから俺は、反逆し続ける。
俺を憎む最後の者の命が朽ち果てた時、俺は世界に忘れられ、解放され、誰にも見届けられぬままひっそりと死を迎えるだろう。
だが、「死ね」という言葉が、俺に向き続ける限り———
俺は、不死身だ。
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