昨日、現代文の霜庫裏先生が「ぼくのかんがえたさいきょうの〇〇」というテーマで小論文を書け、とかいう宿題を出しやがった。しかも期限は今日まで、というから大変だ。
俺はこんな無茶苦茶なお題で小論なんか書けるか、と当然の如くシカトを決め込んでやった。
でも朝、登校してみると、周りの人間は皆ちゃんと課題をこなしてたんだよな。俺はそこでちょっと不安になったわけ。
霜庫裏先生の授業は昼休みの後にあるから、昼休みにクラスメイトの中江と伊藤に聞いてみたんだ。

「中江、伊藤、お前ら宿題やった?」

中江「やったよ」
伊藤「やったぞ」
中江「お前…まさかやってないのか!?お前この課題提出しなかったら現文の単位ないだろ」

「マジで?そんなこと言ってたっけ?」

中江「お前どこまでアホなんだよ…」

お前には言われたくねえよ。

近藤「そうだな、お前北京原人並にアホだな」

なんだお前は急に!
勝手に会話に入ってくるんじゃねえ!

伊藤「とにかくそれはまずいな。俺らの写させてやろうか?」

「…是非とも写させて頂きます」

…何が何やら解らないうちに写させて貰えることになった。
中江と伊藤のを足して1.5で割ったのを書こう、と思いつつまず中江の小論を開いた。



「ぼくのかんがえたさいきょうの下ネタ






















おっぱい



3年2組13番 中江登寿」





くそ!

このおっぱい星人め!
とだけ叫んでやった。クラスの何人かは振り向いたがシカトした。
さっさと中江の小論はスルーして、伊藤の小論を写すべく開いた。





「ぼくのかんがえたさいきょうの次回予告






















次回、『城之内死す』
来週もさくらと一緒に、海賊王にサービスサービスゥ!!



3年2組10番 伊藤仁哉」


おい
結局お前も下ネタカヨ!



それにしてもひどい。
こんなの足して1.5で割ったらもっと酷いのができるではないか。







…「ぼくのかんがえたさいきょうの下ネタ次回予告









来週も、さくらと一緒に海賊王におっぱいでサービスサービスゥ!!」…












…うん、やっぱりこれはないな。



結局俺にもある程度のプライドはあるから、馬鹿二人の小論はスルーして単位は諦め、同じ学年の生徒たちと過ごす残り少ない時間を有意義に過ごすためにクラスを眺めることにした。





その後霜庫裏先生は課題の提出こそ求めたが、単位の話を個人的に質問しに行くと、吹き出すようにして否定された上に嘲笑された。
後日馬鹿二人が怒られたのは言うまでもない。


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