そろそろやって来る魔の火曜日
世間のリア銃共は聖ヴァレンティヌスが処刑された日だとも知らず
さらに日本のデパートの商業的戦略だとも知らずにその日をチョコレートを貰った人間が貰えなかった者に唾を吐き、鼻で笑う日となっていた。
その日は必ず死傷者がでる。
二三名の騒ぎではない大量に被害がでるのだ。
特に鹿児島の小松原あたりの被害は例年甚大である。
俗世の人間は一体何を求めているのだろうか。
与えた先に何があるのだろうか?
バレンタインは変わった。
チョコレート格差が拡がりチョコ難民がでてきた。
政府は何も動かない
このままではこの国は滅ぶ
人はチョコに餓え、各地をさ迷い都心部に集中し社会問題になるだろう。
なんとかせねば、解決の方法はないのか?
私は友人の星林にこのことを述べた。
彼はいたく感動し今年から変えていこうと誓った。
彼は早速手当たり次第布教した。
賛同者は意外にも多く約三万人が集まってくれた。
我々は日夜議論した
その日をふんどしの日にすべきだ
いやいや待て煮干しの日がよかろう。
なかなか決まらなかったがついに星林氏が
「この日はそのままでよい、しかし赤の他人にも渡す日にすれば、チョコレート格差が是正され世にチョコレート弱者が減るだろう、そしてここ日本を中心にゆくゆくは世界中が夢の楽園になることであろう。そしてこの施しを赤チョコ、または共チョコと名付けよう。」
「赤チョコ、いいなぁ」
「そうだなぁ赤チョコいいなぁ」
「そうだ、我々はそれを求めていたのだ。」
星林氏万歳!万歳!万歳!
しかし10年とたたないうちに、赤の他人に渡すほど経済力がない、面倒臭いなどの意見が蔓延し夢の楽園の完成には至らなかった。
だが、この星林氏が提案した考えはきっといつか、どこかの時代で栄える日がくるだろう。
そう、彼の教えが完成しなかったのは時代のせいである。
その日まで彼の教えが忘れ去られることなく残るように我々は語り継がねばならない。
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