誰もいない公園で立っている。そんな夢を僕は見る。これは悲しい夢でもなければうれしい夢でもない。要するに普通の夢。
あのサディズムが爆発するのはどうしようもない。それは生まれ持った性質。体を切り刻む快感。特に指あたりがどうしようもなく恋しい感覚。相手の顔ができるだけ安堵の表情になるように設定する。これがポイント。だから恋しい。気にならないのがちょうどいい。気になると涙が出て集中できないんだよ。日常的にいきたい。だからそういう普通の夢はいいのかもしれないね。

いたいのは嫌だ。いためるのはいい。でもどちらかというといためるけどいたいのなら我慢できる。

でも・・・それでも実行できないこういうサド童貞には自分でもイライラするんだよ。


このかんかくがなくなるにはどうすればいいのか。悩んで6年。結局治せないことに気づいた。毎日一緒の電車に乗るとひとの手をみて足をみて泣く。オナニーのようなサディズム。意外と快感。でもこれは寧ろ・・・。


社会人になって怖いものも増えてきた。最近のお気に入りは窓から見える電柱に上る奴だ。風が凍るように冷たい日は期待してしまう。だからつまり本来通りの男に近い性質ではあるのか。気が張りつめる。これはいいかんかくかもしれない。
人と付き合っても一回きりだ。傷がつくから当たり前なんだけど。消えないんだけどな。相手が返事しないからしょうがないじゃないか。俺も返事しないけどこれはこれで面白い。だってこいついいと思った奴に二度と会えないんだぜ。



そろそろここからでないと。ためこまれてるじゃないか。ああ満たされない。実際にしないと。自分で切ればいいのか。痛い。いやだ。やるか。いやそれはいけない。そのラインは守ってきたじゃないか。
俺はナイフを持つ。
やってしまえばいい。ここから這い上がるには。だれにおとされたんだか。まあ自分で落ちたんだ。もういい。寝る。




寝たはずなのに・・・。白い太陽が目の前にある。

乾ききるのはそう遅くない。




どうやら夢精ならぬ夢傷をしてしまったようだ。体が熱い。ああ、誰もいない。この痛みが快感だ。この痛みが快感になってしまった。やっとこの中から出られた・・・。


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