あの子が空から降ってきて僕の生活は一変した。
僕は、もともと住んでいたところから連行され、「死の灰」を浴びさせられて隔離されていたんだ。

たぶん、実験隊にされたんだと思う。それからずっとひとりぼっちだった。
彼女も、自分になにが起こったのかわかってないみたいだった。わたしの体を好き勝手された、って言ってたから、詳しくは聞かないことにしたけれど。確かに、彼女の躰は、なんだかべたべたしていた。
こうして僕らはふたりぼっちになった。
ひとりきりからふたりきりになって、僕は心底喜んだ。
傷を負った彼女をどうにか元気づけてあげたいと思った。けど気づいたんだ、僕は変わってしまったって。死の灰と実験で、僕の外見は一気に変わってしまった。透き通るように美しい白肌、なんて評されていた僕の体も、灰のせいで汚く変色して、しわくちゃになってしまった。はたから見たら醜いとしか言いようがない。そんな僕が彼女にいったい何をできるっていうんだ?
僕の不安と反対に、彼女は僕にとってもよくしてくれた。つらかったはずなのに。気づけば僕のほうが気遣われていた。
そんな状態だ、僕が彼女に好意を抱くのは時間の問題だった。
そして、彼女もどうやら時間の問題のようだった。

月日が経った。
僕らは恋仲になった。

「わたしの中に、きて」彼女がささやく。
「うん……」僕もそれに応え、そして、









——これは、性欲処理に使われたティッシュとヨーグルトの容器がゴミ箱のなかでくりなす純愛。


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