海流ってどういうためのものか知っているかい?地球全体の温度を出来るだけ同じにするようにできているんだ。南極大陸は遠い昔草木が生えていたこともあったそうだ。そうすべて平均化するように・・・。
僕は全部平均を目指している。テストも身長も体重もおもしろさも。だって平均的だったら誰にもいじめられないし、誰もいじめる気もならないし。すごくいいことだと思うんだ。
そんな時に夏美が現れた。僕とはほど遠い美人。当然彼女も平均的な人を選ぶようにつとめていたから絶対に興味を持ってはいけないはずだ。
でも告白されてしまったんだ。平均を目指しているのに。いろいろなものが崩れ落ちていくのを僕は止めようと思って僕は逃げた。そして自分に言い聞かせた。あいつは合わないと。
告白されるとその人がめちゃくちゃ好きになってしまうことがあるらしいが僕は見事にそのパターンにはまってしまった。あいつは僕に話しかけてくる。めちゃくちゃいい奴なんだ。あいつと俺合ってる・・・。
こんな女と付き合うのは初めてだから周りの目が非常に気になった。怖いんだ。またいじめられる。俺は調子に乗ってると思われている。別れないといけない。でも夏美が好きだ。別れることの方が怖い。俺は変わってしまった。でも変わりたくないんだ・・・。
『夏美』
「ん?」
『なんでもない。』
無理だ。信念をとるか愛をとるか迷いを生まされる。普通はどっちなんだ?友達に聞いたら愛だった。だから僕は愛をとった。平均的だろ?
ところでついでに友達に聞いてみたんだ。夏美ってどうなんだろうって。美人だろって。笑いが生まれた。僕にも友達にも。
こいつを大好きでよかった。やはりそうだったんだな。世界がつながって流れていく。僕たちは流れの真ん中にいた。今の日本人が憧れる位置にいた。
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