「やっぱり女のパジャマってピッチピチなのが一番だよ」
「はぁ?ぶかぶかだろ常考。バカじゃね?」
「あ?お前、ピッチピチだと女子の成長したところがはっきり分かんだろが、デブ」
「なんつったゴラ?ブカブカだと見えるんだぜ?このよさがわからぬのか、ゴミムシよ」
 あたりが静まりかえる。本来ならばこの静寂こそが予備校の教室にあるべきだ。
 だが教室が本来の姿を取り戻したのも束の間であった。
「「よろしい、ならば戦争だ」」
 二人が再び口論を始めたのだ。強調されたヒップライン、パジャマの締め付けに漏れてしまう甘い吐息。ちらっと見えるへそ、長い裾からちょっとだけ見える指先。各々が両者の利点をあげる。周りはドン引く。僕は孫氏を読む。そんな昼休み。
「「お前はどっちだ!池友!!」」
 やれやれ。毎度の流れである。すでになれた。僕は机の上においてあるピルクルを一口飲み、こう言った。
「興味ない」
 二人から同時にはぁー!?という叫び声が上がる。どどん波くらいなら消せるレベルの気合であった。そもそも耳元で叫ぶな、やかましい。
「い、池友利貴被告!!説明したまえ!!」
そうだ!我々には知る権利がある!」
 ピルクルうめぇ。
「まずな、パジャマを着てる時点で間違いなんだよ。そもそも女の寝間着を見る機会とはどんな時だ?ヤる直前であろう」
「待った!い、一緒に寝る、と言ったシチュが」
「異議あり。実際にそんなシチュが存在するのか?」
「同意!いとこの幼稚園児にこの前添い寝をした!つまり、アリエナイ話ではない!!!」
「反論。チャンスがあってもその程度であろう。それともキミたちは、いとこの幼女のヒップラインにやへそを見て興奮する人種なのか?」
 二人が頭を抱えぐぬぬぬぬと呻いている。僕はピルクルを飲み、立ち上がってこう言った。
「論破!!以上のことより女のパジャマを見る機会がヤる直前と決まったからには、僕達がすべきことは、パジャマを眺めることではなく!ど ん な プ レ イ を や る か、だ!!」
 決まった…。これは決まった。周りの人々までもが驚いている。みろ、後ろの席に座る史上稀に見る超絶美少女・華林さんにいたっては『こんなに美しい論破は初めてだわ!!すごい!!抱いて!!』と言わんばかりの視線を送ってくる。すまないね、いくらキミが史上稀に見る超絶美少女・華林さんであろうと、今の僕は誰かを抱く気にはなれない。
 ただ一人、サマウォのカズマきゅんを除いて、誰であろうとも、だ。

「二度とこんなことを起こさないように。はい、帰ってよし」
「はい、失礼しました」
 まさかである。あの神がかった演説がセクハラと判断され、反省文その他諸々をくらい、いつもより帰りが遅くなってしまった。しかもチクったのは生まれながらの肉便器・華林さんらしい。次にあったらゲロはくまで腹パンしてやる。いや、僕の子を孕むまで腹パンしてやる。これが一番いいのかもな。ついでにあの二人も掘ってやる。
 そんなことを考えていたら、通学路の路地裏が騒がしいことに気づく。
 僕は、冒険心と好奇心から首を突っ込んでみることにした。
 ん?若干デジャブったぞ?たまにあるよね、デジャブって。
 路地裏を覗いてみると、複数人の男が一人の女を、あーこりゃミスったね。僕は樹海に放置される可能性を懸念して帰ることにした。
「あ゛?おとなしくしろよ!痛くはしねぇからよ!!」
 なんだこのダミ声は…。何をどうしたらこんな声になるのか…。
「まてよ、こいつ元々寝てやがるぜ」
「まーたまには鮭ではなくてマグロでもいいかもな」
 あのメガネすっげー早口だし、もう一人はセリフが熊っぽい上に体も熊だし。
 そのとき彼らの隙間から寝かされている女の様子がうかがえた。こ、これは…!み、見事な双丘…。
 うむ、天晴!世は満足じゃ!よし、帰るとするか…。いや、待て。もしも、もしも仮にここであの子を助けたならば…、お礼に乳を揉ませてくれるのではないか?あわよくばあのおっぱいを我が物にできるのでは…!だがしかし、だがしかし!顔が谷亮子級ならば…。この可能性は大いに有り得る。神は平等なのだ。あの国宝級の胸に抱き合わせ商法、なのかもしれぬ。しかしてあの乳を目の前にして…!その時僕の前に神と思われるものが現れ、こう言った。
(利貴よ、あなたはそれでもおっぱい星の第一王子ですか!?さあ、今こそ超おっぱい人になるのです!)
 はっ!僕は目が覚めた。夢オチとかではなく。覚醒したのだ…!そうだ。そこに、山が、ある。それが理由なんだっ!!ちなみにこの間0.5秒である。スポーツマンガにはよくあることなのだ。
「おさわりマン、こっちでぇーす!!」
 僕は腹の底から叫んだ。一目散に三人組は逃げ出した。バカめっ!僕が呼んだのはおさわりマンだ!存在するわけないだろう!それに声に出してみるとわかるが、たいして似てないぞ。
 僕は倒れているおっぱいに近寄る。なるほど、たしかに眠ってやがる…。眠っていた?つまり、僕の活躍は、皆無だったというのかは!!!たのむ、どうか反語であってくれ。
「…おーい、起きなよ〜」
「ん…」
「おーい。こんなところで寝てると風邪引くぞー?」
 揺さぶってみるとおっぱいさんのおっぱいがどれほどのおっぱいでそのおっぱいがおっぱでおっぱいおっぱいして
 おぱーー( ゚∀゚ )ノ゜ーーい。
「んんー…早安ー」
 !?←マガジンによくある。今、なんて言った?ってか何語?なんかずっと話しかけてくるし…。
「…あーあー。きゃ、きゃんゆーすぴーくジャパニーズ?」
 英語、わかるかね…?てか英語わかっても日本語じゃねえとコミュニケーションとれないスけど…。
「あ、ごめんネなさいデス。ワタし、朴ていいマスです。あナタの、オナマエ、なんデスカ?」
「え?あ、い、池友、利貴でござますです…」
「りきさん?ハジメましテ、りきさん!」
「あ、ドモ…。はじめまして」
 僕の頭の中ではおっぱいさんから朴ちゃんへと名前が修正された。朴ちゃんはゆっくりと体を起こし、眠たそうに瞼を擦っている。先刻から胸にしか目が行っていなかったが故、顔をよく見たのはこれが初めてだ。
 そしてその幼さの残るあどけない顔にこれほどの大きさを誇る胸、すごくけしからん。ロリキョヌーは実在した!!藤岡弘探検隊で取り上げられてもおかしくないレベルだ。隊長が命の危険を省みず、彼女を調査するだろう…。しかしその前の僕がこの手で全身調べあげてやる…ってあれ?
「ねぇ、もしかしてその服…」
「コのふく?」
「失礼ですが…パジャマ、ですか?」
「ぱ、じゃま…?…睡衣!そデス。かわイイデショ?」
 いや、かわいいけども…。ナシテアナタハネマキナノ?とゆーか、友人よ、ヤる前以外でパジャマ見れたわ…スマソ。
「ネ?ネ?かわイイ?」
「え?あ、はい。とっても似合ってますよ」
「えへへ。ワタし、とてもうれシイのキモチデスョ〜」
 か、かわいい!何コレ!持って帰りたい…!
「た、立ち話も何ですし、どっか行きます?」
「エ?ワタし、いマ、すわルのジョウタイデスョ?タつじゃナイデス」
「あ、あー。えーと…。マック、行きます?」
「まっく?…McDonald's?いク!いクマス!あ…デモ、オカね、ナイデス…」
「そのくらいなら僕が出しますよ」
「ホンとデスカ?スごくカタジケないデス!いきマショ、いきマショ」
 彼女が立ち上がった時、僕は気づいた。彼女が裸足であることよりも重要なことだ。パイチラした!
 しかも彼女、ブラを着けていない!!惜しくも乳首を拝むことは叶わなんだが、素晴らしいものを見れた。キレイな形してるだろ、これおっぱいなんだぜ…。いやぁ眼福眼福。…なぜ裸足?
 そのことを聞いても彼女はえへへと笑ってごまかす。うむぅ、怪しい。だが彼女の背の低さのお陰で容易に谷間を覗き込めるのでよしとした。にしてもデカイ。形は新幹線200系型である。やはり乳は男のロマンである。
 ここで、池友に電流走る・・・・!名案を超える・・妙案・・・・!さながら・・孔明の如く・・!
「裸足だと歩きにくいでしょう。おんぶしてあげましょう(`・ω・´)」
 これで自然にこの胸を堪能できるッ!さらにおしりを触っても大丈夫!不可抗力だものッ!
「あ、ダッたら、ソレじゃナクて、えっト…その…ダッこが、イイデス…」
 ( ゚д゚)え?それって…もしや!え、え、 駅 ☆ 弁 !!!もし入っても不可抗力?否!不☆可☆抗☆力!!!!
「ぜひ喜んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!」

 僕は彼女を抱っこして街を歩いた。そうお姫様抱っこだ。ちょっとフキゲンだが、目の前で乳を楽しめるのですぐにキゲンは良くなった。だがそのたびにポリスメェンに職質されまたフキゲンになり、以下繰り返しだ。当の本人はと言うと眠ってしまった。グゥグゥスヤスヤ、夢の中である。ノン気なものである。ノンケとは読まない。
 マックに着いても彼女は寝たままだったので、ハンバーガーのセットとハッピーセットを頼んだ。おもちゃは勿論、プリキュア!
 注文が出てくる間に店内を見回すとあの三人組がいた。耳を立ててみるとあのあとおさわりマンにまわりこまれてしまい、色々おさわりされたそうな。実際にいるのだな、おさわりマン。キミも気をつけるんだぞ!
 品物を受け取り、先日見つけたガラクタ置き場へ彼女を連れ込んだ。
 むぅ、これだとまるで僕が犯罪者みたいだ。言い直そう。
 先日見つけたガラクタ置き場でヤリてぇヤリてぇヤリてぇ!この乳をおもいっきり楽しみたい!!
 これでよし。犯罪者ではなくなったぞ。変質者なら警察も許してくれるさ。
 朴ちゃんを起こし、ハンバーガーを手渡した。え?ハッピーセットは僕が食べるんだよ。
 朴ちゃんはとても喜んでくれた。食べながら色々と話した。そこからわかったことは朴ちゃんは中国から来たということ。すぐ寝ちゃう性格だからいつもパジャマでいるということ。そして、男性経験が、ない、ということ!
 僕は処女厨ではないがこれは嬉しい情報である。この乳は前人未到の雪原なのだ。ひとこと断っておくが、僕は彼女の乳しか見ていないわけではない。ちゃんと性格も顔も見ている。そして特にふとももを見ているのだ。ムチムチ、というわけではないが、細いながらもしっかりとした弾力を持っているように伺える。ふとももペロリストの心情が理解できる。
「クシュン」
「あ、ダイジョブでスか?サむいのカンジデスか?」
「いや、大丈夫。…たしかにちょっと冷えてきたかな」
「なラ、こうスレバ、イイ、デスヨ」
 ふふぉおおおおお!!!朴ちゃんが、朴ちゃんが僕の膝の上に!!ちょこんって!ちょこんって座って…。この感じ、イイ!!かわいい三つ編みが軽く揺れている。ついでに胸もたゆんたゆんと。
 ええい!鎮まれ!鎮まるのだ!!ここで勃ったなら!嫌われるぞ!!あ、でもムリかも。
「こうスレば、ここロもカラだもポカポカにナルデスョ〜」
 天使や、天使がおるで…。穢れない無垢な天使や…。でも、僕の矛は、容赦なく反応してしまった。頼む、バレないで…。
「?りきさん?コのカタイの、ナンデスカ??」
 \(^o^)/ギニャーーーーーーー!!!さっそくバレたぁーー!!!わ、話題を変えてごまかそう…!
「ぼ、僕さ!最近すごい夢をみるんだよね!」
「!ゆ、ゆめ、デスカ?」
「そ、そうなんだよ〜。虫に襲われる夢でさ、実は僕、虫が大の苦手でね…」
 な、なんとかごまかせた…。だが、依然変化はない。ごまかしきらねば/// 。にしても女の子ってすごくいい匂いだなぁ。まぁ顔の真下に彼女の頭があるわけで…本音を言うと、クンカクンカモフモフしたいわけで…。さらに言うとこのふとももに顔を挟みこみたいわけで。もいっちょ言うと、この双丘を揉みくだしたいわけで!てか、これはもうしていいんじゃないっすかね!!据え膳食わぬは男の恥ですよ!
 いやいやいや待て待てそれは犯罪である。この子の身長的にアウトである。健全さを売りとするSILLY LETTERS CONTESTに載せられなくなってしまう。で、でもクンカクンカくらいなら、クンカクンカくらいなら…!!
「りきさん?…ナンカめがこわイデス…」
「えっ!?あ、ご、ごめん…」
「ドうしまシタ?」
「いや、その…クンカクンカしたいなぁって」
 何を口走ってんだあああああああああああ!!!!!!
「くんかくんか…?…しても、イイデスョ?よくワカりまセンが…」
「…マ、マジですか…?」
「ソ、ソのカワリ!ワタしのオネガい、キいてモらえマスカ…?」
「な、なんでございましょう…」
「アノ、えっト…ナ、ナデナデしてクダサイデス!!」
「よ、よ…よ、喜んでぇぇえええぇぇえええ!!!!」
 予想外です…。お父さんが白犬であることくらい予想外です…クンカクンカだけでなくナデナデもさせてくれるとは…。二兎を追ったら雪男とっちまったよー。マジとっちまったよー。ってレベル。
 早速頭をナデナデしてあげる。すごく気持ちよさそうだ。甘えるときはとことん猫のような態度を見せる。僕の火山が桜島で雲仙普賢岳だ。すかさずクンカクンカしてみる。
「ふぁ」
 !?何いまの声!?胸の鼓動がより大きくなる。僕の心臓がここから出してと言わんばかりに胸を打つ。出したいのはキミじゃない、億千もの子供たちだ。僕は理性を取り戻すようにさらにクンカクンカする。
「ソ、それ…す、ゴく…クスグった、ひゃ!!」
 大洪水だ!
 僕の股間が。残念だったね、諸君。
「ら、ラめっ…ナ、ナにか、クる…!マッて、マッて、クダシャい…」
 ここで僕はクンカクンカをやめた。そう、彼女のためではない。我がJr.のためである。
 ふたりとも肩で息をする。彼女の赤い顔が、とても、その、グレイトです!これはもうヤッちゃってよいのだろうか?流れでヤッてしまっても全然問題にはならぬ。そもそもこのけしからん胸があるのが悪い。これがもし絶壁ならば、手を出さない…ってあれ?この娘!乳首が…!!パジャマ、いい!!このポチってなったのが見られるなんて!想像がどんどんできる。胸いっぱいに膨れ上がる。
 見たい!!この先を!見たい!!!!
 と、その時であった。
「ア、アノ…。もヒトツ、オネガい、キいてモらえマスか?」
「あ、はい。な、なんざんしょ?」
「……テクダサイ…。」
「えっ?」
「イッショに、ネて、クダサイ…!」
 寝てください、寝てください、寝てください、寝てください。それは街中に響き渡った(気がする)
 越して僕と朴ちゃんは共に寝ることとなった。グッバイ、子供の僕。

「やっぱ、うまくはいかないものなのな。」
 今、僕の隣で朴ちゃんは寝ている。裸でではない。パジャマでだ。プレイではない。ただ普通に寝てるのだ。
 Jr.は萎縮、テンションも下げぽよ。と思われたが、目の前に圧迫された乳があり、先程までとはいかぬが、元気を取り戻していた。僕は軽く彼女の頬をつついてみた。
「むにゅ…。」
 か、かわいい。つ、次はお胸を…。と思ったがやめた。紳士だから、と言えばカッコイイが、実のところ異様に眠いのだ。そうして、僕は、目を、閉じた。

 僕は夢を見た。高いビルの屋上で、朴ちゃんが頭にウッディの人形を括りつけていた。そして彼女はこう言った。
「りきさん…。シよ…?」
「うぉぉぉぉ!朴ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!!!」
 そう、朴ちゃんと夢の中でヤッたのだ。しかし不意に場面が変わる。あのガラクタ置き場だ。
 目覚めたのかどうかわからない。ただ明らかなのは、朴ちゃんがガラクタの上に仁王立ちしている、ということだ。
 そして僕の体が金縛りのごとく、動かないということもだ。口も動かない。なんなんだ、これは…。
「早安、りきさん。と言ってもここは夢の中です。今から、りきさんにすべてをお教えしますね。」
 かなりなめらかな日本語であった。彼女とは思えない程に。ただ唯一、笑顔だけは変わってなかった。
「私、貘、なんです。今の日本じゃあまり馴染みがないですけど…。私達は昔から夢を食べて生きてきたんです。でも、最近じゃ貘の存在自体忘れられがちで…。存在を知らない人の夢に、その存在を知らないものは出てこれないんです。だから普段は自分の夢を食べて生きてるんです。すぐ寝るのはそゆことです。りきさんが私の夢を見て下さったおかげで、その夢を食べることが出来ました。美味しかったですよ?」
 その後に彼女は目覚めるともうさっきの夢を思い出せなくなりますよ、と言った。あの夢をか、軽くショックである。
「では最後になりますが、りきさんと過ごした数時間、とても楽しかったです。また、どこかで会いましょ。…ただ、その、…わ、私、あんなコトする時にあの変態人形を頭に括り付けたりなんかしませんよ!!…今度、それを、しょ、証明、して、あげます…。で、では、またいつか!」
 そうして彼女は去っていった。僕はそれを見送ることしか出来なかった。そして、そのまま、目を閉じた。

 あの後、結局目が覚めたのは朝になってからだった。もちろん彼女は隣にいない。それからというもの、僕はあの夢を思い出すことはできなかった。ただ2chでウッディスレを見た時だけ、何かを思い出せそうになる。だがそれまで、喉元に出かかるだけであった。
 そして僕には日課が増えた。睡眠をとる前に、必ず彼女の姿を思い浮かべる。それで彼女の夢を見れれば、また彼女が夢の中に会いに来てくれるだろうから。


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