細い指先に塗ったマニキュアのように砕ける淫らな赤芯の欠片は、重く固い雨粒のように、乱れた蟻の大群のようにじっくりと広がる
躍動的に蠢く悪意の大群
官能の匂いがする
残された紅の粉は虫の小群のようにわずかに、呪いのように漂い溶けてゆく
女王の殺気立ったハイヒールは
薄暗い部屋と床に刺すようなネオン
輝きと砕片を生む
舐めた先に香る暗い不可思議の空間に
乾いた女の大地を嗅ぎ
厚く固い木の壁は
赤で薙ぎ倒し
「ケンちゃーん、お風呂よ〜!」
「は、はーい・・・(チッ邪魔が入ったか・・」
ガサゴソ
「(今に見てろ・・こうしているのも今のうちなのだからな・・)」
ケンちゃんはお風呂場に行くとムラムラする。
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