ここはE媛県M山市のとあるS学校
ここに通う○学六年生の男の子、モッピー君(1○歳)には人には言えない秘密があった
それは…
「おーい、お前もドッジボールしよーぜ」
「…え?あ、ぼ、僕のこと…?」
「他に誰がいんだよ?行こーぜ」
「い、いや、せ、僕は…その…デュフフ」
「おい、そいつは誘っても無駄だぜ?だって—」
そう、そうなのだ
彼は
「ぼっちだもん」
ぼっちなのだ
そう言うと男の子達はグラウンドに向かって教室を出ていった
するとモッピーのカバンから猫だかなんだかわからないものが顔を出した
「どうして行かなかったんだい?せっかく仲良くなるチャンスだったじゃないか」
「はぁ…わかってないなぁQBは。僕みたいな『選ばれし者』はあんな奴らの相手をしてるヒマはないのさ」
「選ばれし者はデュフフとか言わないよ、絶対」
「んだと?エサもらってるクセに調子乗んなやコラァ!」
「やめてよ!首、絞めないでよ!マミる!マミる!」
QBと呼ばれたその生き物をモッピーが締め上げていたその時だった
「うわぁあぁぁ!!」
「!グラウンドの方からだ!行こう、モッピー!」
するりとモッピーの手から抜け出したQBは颯爽と駆け出していた

「うわぁあぁぁ!!」
「なんだ?!こいつらは!!」
『愛してるよ、リサちゃん』
『私もよ、あっくん(はぁと』
「ぐわぁぁ!ヘドが出るぅ!!」
モッピーたちがグラウンドに着いた時、そこには周りの目も気にせずイチャつく男女がいた
「こいつらは…!」
「うん、間違いないよ、モッピー!悪の軍団DQNが送り込んできた『リア獣』の内の一匹、『バ・カップル』だ!しかも今回はなにあのモデル!ではなく、ちょっと鏡見てこいよのレベル!!こいつは強敵だ!モッピー!すぐに準備を!」
実はモッピーにはまだ秘密がある
ある時はただの○学生、ある時はネラー、またある時は河原のエロ本を拾い集めては部屋に持ち帰り親のいない日を見計らって読み耽る男子
そして、ある時は
「へーんしん!パンツニナッテクンクンペロペロ!!」
町の平和を守る、魔法少女なのだ!
「もっとも彼の場合は魔法男の娘なんだけどね☆」
〜変身シーン割愛〜
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「孤軍奮闘!孤独は力!キュアぼっち!(裏声)」
『なんだァテメェは!リサちゃんは俺のもんだ!』
『そんなこと言わなくても、ずーーーー(略)ーーっと前から、あなただけのものよ?』
「きゃぁあ!(裏声)」
「怯んじゃダメだ!キュアぼっち!!落ち着いて!」
「そ、そんなこと言ったってぇ…(裏声)」
(はっ?!昔、クリスマスの日の非リア板で人前でベロキスする奴らへの対処法を見たことあるわ(裏声))
(効くがどうかわからないけど…試してみるしかなさそうだわ(裏声))
『まだ俺らの邪魔をしようってのか?もう加減はできないぜ?』
『いやん、今のセリフカッコいー!リサー、濡れちゃうかもー!!』
「あなたたちって…所詮は妥協点同士の集まりでしょー!!(裏声)」
『『—っ?!』』
「どうせコンパとかで余ったもの同士で!収穫なしで帰るのもなんだし…みたいなんで付き合い始めたんじゃないの?(裏声)」
『や、め…ろ……!』
「その時は焦ってて顔をよく見てなかったみたいだけど、改めて見たらとんでもなくて、自分を誤魔化す為に人前でもイチャついてるんじゃなくて?(裏声)」
『イヤッ!聞きたくない…!!』
「だから心優しい私が周りの人達のあなたたちへの思いとあなたたちの、彼氏、あるいは彼女への本音を代弁してあげる(裏声)」
『『それ以上言う—』』
「気持ちわりぃもん見せてんじゃねぇよ、このド腐れ野郎が!!!!!(地声)」
『『イヤァァァァ!!!!』』
「今だ!キュアぼっち!決めるんだ!!」
「任せて!QB!(裏声)」
「いっくよぉ〜!(裏声)」
「永久に閉ざされた氷河の力(エターナルフォースブリザード)」
「さすがキュアぼっち!確実に息の根を止める技でリア獣を倒したぞ!僕が見込んだだけはある!」
ありがとーキュアぼっちー!
ありがとうー!!

その日はその後何事もなく、モッピーは学校が終わるといつも読書をする河原に来ていた
図書室の司書とも会話が出来ない程のコミュ症にとってこの河原は天国であった
「なぁQB」
「なんだいモッピー」
「リア獣を倒すっていいことなのかな?」
「いいことに決まってるよ」
「でも彼らはただ幸せになりたかっただけじゃ…」
「モッピー!そんなこと考えちゃダメだ!君は選ばれし者、キュアぼっちなんだよ!!」
「だけど…」
「だけどじゃない!…君はあんなに感謝されてたじゃないか」
「…そっか、そうだよね」
「まぁ、君はウスとかドモスしか言ってなかったけどね」
「うるさいなぁ!首もぐぞ!」
「それは止めてよ。それよりいいのかい?今日はネトゲのイベントがある日だけど」
「あ、やべ忘れてた!急がないと!先に帰ってるよQB」
「転けないようにねー」

「…いいんだよ、これで」
「何も悪いことじゃないんだよ、リア『充』を消すことは」
「僕にとって、ね」


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