12月24日某所
「これで準備はできた。
明日が楽しみだ
ヘハハハハハハ」
今日は12月24日世の中はクリスマスイブだと浮かれているが忘れないでほしい、この日はインド航路を切り開きポルトガル洋上帝国の礎を築いた偉大なる航海士ヴァスコ・ダ・ガマの命日である。しかしながら世のリア十どもときたら…。
おっと失礼
今日はそんな僻みを言いに来たのではない。
あるクリスマスの日世の中を恐怖のどん底にまで叩きのめしたある男の話をしにきたのだ。
そう、遡ること20年前のガキの頃が発端である。
「なあ、兄ちゃん。今日はクリスマスイブだな。サンタさん何くれるかな?僕は免罪符でいいからほしいなぁ。」
「さぁどうだろうか。
サンタさんがホイホイとそんな高価なものを与えるだろうか。」
「夢がないこと言うなよ」
次の日夜
サンタは枕元にプレゼントを置いていった。
朝
「ウワァァァァアアアアア!」
「どうしたのだね、朝から騒がしい。クリスマスプレゼントが金たま八個だったのかね?」
「まだ金たまの方がいいよ。見てこれ、タヌキの置物だよ。
どうするの?
いらねーよこんな物」
「こら、罰当たりなことを言うでない。
せっかくサンタさんがお前のために与えたプレゼントだ。
大事にしろ。」
「やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだー!せっかく免罪符が貰えると思ってたのにぃー!」
「まあまあ落ち着け
お?
なんかタヌキのしたに手紙があるでよ。」
「なんだって?
読んでみてよ。」
「よかろう
滅入りー苦しみます
やぁ私はサンタだ。
このタヌキの中には君が欲しがっていた免罪符がある。
以上」
「適当であることこの上ないな。兄ちゃん」
「嗚呼全くだ。」
「でもプレゼントのありかがわかった。
早速このタヌキをかち割ろう。」
「いや、まて早まるな。
せっかくサンタさんがお前に与えたプレゼントだ粗末に扱うと来年から来なくなるかもしれない。」
「これじゃあ生殺しだよ。」
「いや、慌てるな来年は違うかもしれないだろ。それとも君は目先の利益のために来年のことを捨てるのか?」
「グッ…仕方ない今年は我慢しよう。」
「それでよい」
明くる年のクリスマス
「兄ちゃん、またタヌキが来た。いい加減叩き割りたい。」
「だめだ来年から来なくなるぞ。」
「畜生!
どうしてタヌキなんだぁー!」
これが五回ほど続きついにサンタを信じなくなった。
「おのれ、サンタこの怨み一生忘れないぞ!」
その後弟はスイスに行き民間軍事会社に入った。
アウターヘイブンとか言ったかな?
まぁ名前はどうでもいい。
一人前になったころに手紙が来た。
「兄貴へ
約束を果たしに行きます。
さようなら」
何をしでかすのだろうか。
不安で一杯だが
あまり気にも止めなかった。
二日後、昼のニュースにて
「速報が入りました。先程フィンランドのサンタ村が壊滅しました。
この事件で最低20名のサンタが死亡したと入っています。」
まあ何と物騒な世の中だ。
恐ろしい恐ろしい。
どんな非リア十がやったのだろうか。知りたいものだ。
そして夕方のニュースにて。
「サンタ村付近のトナカイが全滅。
地元当局は同一犯として捜査を進めている。」
全く持って恐ろしいやつだ。
一体過去にどれ程の絶望を味わったやつなのだろうか。
いゃあ怖い怖い。
次の日朝のニュースにて
「動画投稿サイトヨウチューブに犯人からと思しき声明があげられています。
では、その動画を見てみましょう。」
「私はクリスマスをこの世から消す。
昨日の出来事は今から起きる事の始まりに過ぎない。」
あれ?
聞き覚えのある声だぞ。
おかしい。
物凄く弟に似ている。
気のせい…かな?
とぅるるとぅるる
この、熱い男が良く言ってそうな言葉は私の着信音だ。
電話をとってみた。
「兄貴久しぶりだな。
今朝の動画を見たか?」
「嗚呼、全く持って恐ろしいやつがいるものだと思ったよ。」
「兄貴、それは俺なんだ。」
「は?」
「だから、俺がこの事件を引き起こしているのさ。」
「おい、詳しく聞かせろ。」
「おっと、もう時間だ。」
トゥートゥートゥー
「クソッ!」
しかしこれは一大事である。
我が弟が一連の事件の犯人だとは。
どうするべきか。
このままでは全トナカイが絶滅し、リア十が消える。
あ、でもリア十がいなくなるのは別に構わないな。
いやいやいかん。
ここは弟を更正するのが兄の任務だろう。
私は直ぐ様支度を始めた。
H&KMk23とマガジンを10個ほど鞄に入れて上司に連絡した
「俺だ、聞こえるか?」
「ああ、聞こえますとも。相変わらず口のききかたが横着な野郎だな」
「そんなことはどうでもいい、今すぐフィンランドに向かいたい飛行機とパラシュートを用意してくれ。」
「なんだ?お前から仕事したいだなんて珍しい事もあるものだな。いつもそれくらいやる気があればなぁ」
「ゴタゴタ言わずにさっさと出せ、沢山の人間の夢とトナカイの命がかかってるのだぞ!」
「トナカイ…あぁ今朝のニュースか、お前の管轄外なのにどうしてだ?」
「ここだけの話だがあの犯人が家の弟なんだ」
「なんと!それは驚いたよ」
「いいからさっさと出せ!」
「あぁ解った解った」
—飛行場—
「これで準備は完了だ
それにしてもお前はいつもいつも軽装だよな。
また武器は現地調達か?」
「いや、今回はこいつを持っていく」
「Mk23…こんなSEALs隊員が使いたくないやつで大丈夫か?
うちの店にはもっといいやつだってあるのによー。」
「いや、俺はこいつで大丈夫だ。
威力はでかいし、何よりデカクテかっこいい。」
「そんな素人じみたことをお前が言うかな?普通。
まあいい好きにしろ困った時は我がドービン商会北欧支部でも使いたまえ。
安くしとくからな。
それじゃ快適な空の旅を」
こうして飛行場をあとにした。
—12時間後フィンランド上空—
ポーン!
「当機はまもなくフィンランド上空、HAHO降下されるお客様は機体後方ハッチにお並びください。」
こんな、下らない放送しなくてもいいのに。
目を覚まし与圧機能、酸素供給をチェックし機体後方に移動した。
「何年たってもこれだけは勇気がいるな。」
「君が弱音を吐くなんて珍しいじゃないか。」
ニヤニヤしながら誘導係が言う。
ハッチが開いた
さあて、行くか
高度1万メートルからのダイビング
降下後約8秒たちパラシュートを開く
地上では雪が降っているのだろうか?
雲が厚く下の様子が見えない。
とりあえずぶらぶら降下した。
約30分後そろそろ見えてきた。
フィンランドに着陸した。
まずはサンタ村に行くことにした。
先の事件で村は荒れ果て、誰もいる気配がなかった。
‘ガタッ!’
‘!’
建物から物音がした。
ドアの近くで待機し、赤外線ゴーグルを使い様子を伺った。
人が一人いるらしい。
ドアを蹴破り銃を突き付けた。
‘動くな!’
‘!
何者だ君は、いきなり入ってきて物騒なものを突き付けるんじゃないよ。’
‘あんた、この村の住人か?’
‘いかにも、私はサンタだ。’
‘いきなりですまないが、話がある。
この間の事件について詳しく教えてくれ。’
‘あんたは何者だ?’
‘俺はICPOの刑事霜栗だ’
‘そうか、なら話をしよう。状況はというとだな、突然ヘリが五機やってきて50人ほどの兵隊がこの村を殲滅しにかかったよ。’
‘ヘリには何か書いてあったか?
部隊章見たいなものとか?’
‘あぁ、それなら確か、タヌキに矢が刺さってたな。’
‘そうか、他は文字とかなかったか?’
‘文字は、サンタ撲滅委員会て書いてあったような、いや、違うタヌキ抹殺倶楽部だった間違いない。’
‘どうもありがとう’
‘お前さん今からどこにいくんだ?
まさか単身乗り込むとか言わないよな?’
‘そのまさかだ’
‘バカなこと言うんでねー。危ないだろ!’
‘もうなれてるさ、俺は刑事だ’
‘そう言うのなら私からプレゼントをしよう。
D2という。
こいつは遠隔操作で動かし、撮影し、攻撃もできる。’
‘へぇ、こりゃ凄いな。
しかしなんでサンタが持ってるんだ?
子供の夢ぶち壊しだろ?’
‘欲しがるガキがいるから持ってるんだ。では健闘を祈る’
‘ありがとなサンタ。’
—某所—
‘ボス、タヌキの捕獲に成功しました。’
‘ボス、タヌキの置物を捕獲しました。’
‘よろしいでは明日作戦開始だ。’
—サンタ村郊外—
‘おい、ドービン聞こえるか?
俺だ、霜栗だ’
‘ああ、いやなくらいきこえるさ。
どうかしたのかね?’
‘タヌキに矢が刺さっているエンブレムでタヌキ抹殺倶楽部とかいうものはあるか?’
‘あぁ、それなら聞いたことあるぞ。
何でも二年ほど前に設立された会社らしくてな、まぁ名前はアホらしいが最近有名になった傭兵会社だ。’
‘CEOは誰だ?’
‘シニーマセン・モクーリだそうだ
顔写真はこれだね。’
‘正に弟だ。
居場所とか解るか?’
‘さぁ、とりあえず上海の本社に行ってみるのがよいのでは?
飛行機を手配しておく。’
—上海タヌキ抹殺倶楽部本社—
‘あのよろしいですか?
シニーマセン・モクーリ氏にお会いしたいのですが’
‘どちら様でしょうか?’
‘兄だ。’
‘そうですかしばらくお待ちください。’
そういうと受付嬢は電話して確認しだした。
すると、
‘はい、了解しました。’
ガタッ
カチャカチャ!
私は今銃を突き付けられている頭に新しいケツアナができそうだ。
‘何の真似だ?’
‘たった今射殺命令が降りました。あなたは死にます私が撃ちますから。’
はぁ、全くこれだから素人はいけない。
銃があるから完全に安心しきっている。
‘お嬢ちゃん、いい乳してんな。冥土の土産として舐め回させろ’
‘な、な、な、な、何を言ってるんだ、お前は自分の立場が解っているのか?’
‘勿論、だからこんな恥ずかしいお願いしてるんだろ?
で舐めさせてくれるのか?’
彼女が赤面し手が震え出した
注意もそれたところで、手で銃身を頭から外し右腕の関節を極めながら床に叩きつけた。
なんとも気持ちの良さそうな寝顔だ、うん。
‘はぁ疲れた正面突破は無理か’
さてと、かくれんぼするか。
まず、社員証を貰うか
トイレに隠れ、様子を伺った。
一人兵士がきた。
小便器で用を足している背後から忍び寄り、絞め落とした。
服と社員証を略奪し縛り上げ、トイレで寝んねしてもらうことにした。
さぁ、目指せ社長室
突然、
‘おい、霜栗大変な情報だ、24時間後、世界中のタヌキと信楽焼職人の公開処刑を行うらしい。いそげ’
なんてこった。
さっきの兵士を叩き起こし社長室の場所を聞いた。
このビルの10階で、入り口に警備兵が二人いるらしい。そして入室できる兵士は大佐以上のものだけだとか。ちなみにこいつは兵長だったのでまたおとなしく寝て貰った
必要な情報は得たまずは大佐クラスの制服をパクらねば。
ぶらぶら歩き散策した。
トゥルルットゥルルッ
無線が入った
‘なんだ?ドービンか?’
‘いい情報が入った。’
‘なんだ?’
‘CEOの側近に広い食いをするやつがいるらしい。
腐ったものを放置して下痢にすれば制服が手に入る。’
‘でも簡単にいくか?’
‘まあやってみろ。’
‘解った’
まずは10階に行った。
なるほど見張りがいるなぁ
もう少し様子をみた。
部屋から一人でてきた
とりあえずこいつから剥ぎ取ろう。
腐った食い物を廊下に放置して待ってみた。
‘うおっ、食い物だ!
ゲブァー腹痛くなってきた。’
すんなりトイレに入った。
—トイレ—
大便器が一つ閉まっている。
ガンガンガンガン!
ガンガンガンガン!
‘今入ってるぞ’
さっきのやつだ
ガンガンガンガン!
‘どうした?今使用中だ。’
ガンガンガンガン!
‘俺の集中を乱すな!’
ガンガンガンガン!
‘何だ?一緒に入りたいのか?’
ガチャ
こいつはバカなのか?
入るなり顔面を殴り気絶させた。
幸い物は出していなかったようだ。
—社長室—
この制服だと顔パスだとはな。
なかなか緩い会社だ。
‘話とはなんだ?大佐’
‘あんたにこの計画を中止してほしい。’
‘急にどうしたのだ?大佐怖くなったのか?’
‘この顔を覚えてないとは言わせないぜ。’
帽子をとり顔を出した。
‘ふふっ、兄貴か。
元気そうだな。
その制服は、あぁーイワンのやつかバカだなぁ。あれだけ拾い食いするなといっていたのに。’
‘ゴタゴタうるさいさっさと計画を中止しろ。’
‘それはできないね。’
‘何故だ?
何故そもそもサンタに始まりタヌキまで手をだそうとしたのだ?子供の夢が壊れたらどうするのだ。’
‘子供の夢が壊れる?まさか忘れたとは言わせないぞ、兄弟。’
‘なんだ?’
‘よかろう話してやる。
心して聞け!
あれは、さかのぼることガキのころまでだ。
ある年からクリスマスプレゼントが信楽焼のタヌキになった。
そしてサンタは俺の足元を見るように決まってほしいものがタヌキの中に入っていた。
しかし壊すと来年からこない。
このジレンマに苦しみいつしかこう思ったのだ。
サンタと世界中のタヌキを抹殺してやる。
それから大学で勉強しサンタはパパかママであると気づいた。両親にそのことを聞いたら兄貴の仕業だと知った。私は怒りに燃えた。
だがPCMで経験を積みその後独立しこの計画を思い付いた。兄貴を呼び出すためにね。
だが、兄貴も非リア銃理由は違えどクリスマスが無くなるのは兄貴にとっても好都合のはずだ。
どうだ?固いこといわずに俺の計画に参加しないか?そうすれば許してやる。’
‘断る!’
‘なんだと?’
‘悪いが俺には守らねばならないものがある。’
‘言ってみろ。’
‘小さい子供の夢だ。’
‘自分の弟の夢を壊しておきながらどの口がそんなことを抜かすか!’
‘解っている。その件は謝らねばならない。
しかしもし万が一お前の用な人間ができたらどうする?
未来ある若者を犯罪者にしていいのか?’
‘ええぃうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!’
そう叫ぶとともに相手はスイッチを押した。
ガガガガガガガ
‘なんだ?’
‘冥土の土産に教えてやろう。
これは二足歩行型タヌキ抹殺兵器
タヌキラーだ。’
タヌキの置物の形をしたロボットに乗った弟がそう言った。
‘それだけじゃ分かりにくい、どうせ死ぬんだから弱点くらい教えろ。’
‘よかろう、このラジエーターをそなえたキムタマだ。
あたると痛いし壊れる。さらにラジエーターにするため防御が薄い!’
バカだなぁ
パシュッパシュッパシュッパシュッパシュッ!
五発弾を玉に注ぎこんだ。
‘ぐわぁぁぁぁぁぁあ!’
とんでもないうめき声とともにロボットは壊れた。
コックピットにかけよりシニーマセン・モクーリを逮捕した。
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