6位 先輩 / Mr.SPERMA (4点)
・めんどくさい女の子は可愛い
・ぼくもこんなせんぱいがほしかった
・先輩のキャラがなんだか好み
・声をつけて聞きたい内容だった。キャラクター達の今後の関係を想像してみたくなるお話。
・僕だったらまた先輩を病気にさせるために毒を盛りますね。
[あとがき]
雑音というテーマを考えた時に思いついたのが通話で、雑音が顕著なのはトランシーバーとかだろうなーと思ってぼんやりネタを考えていたが、あまり効果的に使えずにいた。
最終日、『幻聴』を書き上げた後、もう一作くらい出しておいたほうが見栄えもよかろうということで、そのトランシーバーを題材として、特にアイデアもなかったが、ちゃちゃっと形にしてみた。
なのでヤマなし、オチなし、思い入れもあんまりなし。男の思い通りにならない女が俺は好きなんだ!って話。
ま、枯れ木も山の賑わいってことでひとつ。
5位 幻聴 / Mr.SPERMA (7点 ACE1)
・踏切スカートの組合せが好き
・クニアキ君らしさ全開のワールドとじじいの親和性は高いのかもしれない。
・めくるめく万華鏡のような世界!餃子マンだけでご飯三杯は行ける
・これが最初はズルい、笑いまくった。ああシリコンだー!と安心しつつも、さらに端々に磨きがかかってて期待も膨らむ。テーマにも順当に応えてて第3期の開幕にふさわしい作品なのでは。
・じじいって便利なキャラではあるんだけど、年期を感じさせる重みや凄みを書くのはむつかしいよね
[あとがき]
『ジジイを出せば物語に深みが出るのではないか』という安直な発想で書き始めたはいいが(良くもないが)、終わってみれば深みもへったくれもないしろものが出来上がってしまった。
ジジイ自体もちょっと典型的な創作ジジイというか、特にコクのないキャラクターになってしまった。ちょっと理念が宿ってねーな。もう一味、味付けをしたかったところ。要反省です。
あと読み返してみると餃子マンのところが滑りまくっていて血の気が引いた。逆にジジイが幻術をかけるシーンは自分でちょっとお気に入りです。
なんにせよ、リハビリにはなった。
自分のあとがきで言うのもナンだが、今回の作品群を見て久しぶりに『次こそは俺が勝つ』という闘志が甦った。次はもっと頑張ります。
4位 酔客 / 淫卵 (9点)
・台詞ヤバい。面白い
・怒濤のセリフラッシュと若者を否定しないで理解しようとする所が良い
・不快な人間達の雑音を妙にリアリティのある会話で書ききった後の主人公の淡白さには意表を突かれた。独特なバランス感覚に紡がれる文章全体から滲み出る若干陰鬱な雰囲気に唸らせられた。
・ムッシュの気取った感じが妙に笑える。ウェイの無遠慮な騒がしさは、読んでる方もメシがまずくなる。単純な善悪じゃなくて、『合う・合わない』の問題を鮮やかに描いた快作。
・なんかあれがあれすぎて途中をちょっと読み飛ばしてしまったので点数を投げます
[あとがき]
締切日の夕方に書き始めたどうしようもない作品です。
時間がないので、地の文は少なめで、セリフ続きで書ける作品にしようと思ってこれが出来上がりました。
ムッシュはそこそこ金持ちの65歳独身男性という設定で、「Rouge et noir」は「Rouge」でググって適当に意味のある言葉を持ってきたという感じです。
そして、隠れ家的な魅力を持つこの店は、客が少なすぎて2年後には潰れてしまうと思います。
食べログ至上主義な消費者への警鐘を鳴らす作品でした。
3位 鈴虫の音とブリンクァスタの祝福 / xnu!7 (13点 ACE1)
・これがHey, Siriの直後に来るのがシリコンの素晴らしいとこではなかろうか。今回唯一といってもいい非日常的な世界設定で書かれていて飲み込まれた。だがその中に込められたメッセージはとても人間的なもので考えさせられる。多くは語らない世界観と絶妙な退廃感が心地よかった。雑音というテーマがうまく織り込まれていた。
・言葉が消える時、音が消えるというのは面白い。戦争の伏線がもう少し詰まってるとたぶんより威力があった
・祝福の歌のくだりがたまらないですね。
・歳をとってもシリコンファンタジー枠は永遠に不滅ですというのを感じさせてくれた。懐かしい雰囲気
・この雰囲気がいいんだよ。晩秋の寒さと二人のやりとりの暖かみを感じさせる温度がある。クァクの穏やかな人柄が文章から伝わってくる。直接的な会話文もないのに。
[あとがき]
なんか数年ぶりに小説書いたような気がします。こんにちはxnu!7です。読んでくれてありがとう。
「雑音」……難しいお題でした。昔からのクセで、テーマを使って小説を書くのではなくて、テーマそのものを題材に書こうとしてしまうんですよね。書き慣れていた昔ならそれで良かったんでしょうが、ブランク空きすぎの今だと何にもイメージが浮かばず、結局書き始めたのが〆切の2時間後という……ご迷惑をおかけしました。
今作品は自分の中でイメージが固まってた訳ではないので色々と甘いですが(特に話の畳み方が)、ふっと〆切間際に思いついたイメージだけはちょっと表現できたかと思います。
今回むりくり作品を完成させたので、いいリハビリになりました。次はもっと良い感じのを書きます!
2位 Hey, Siri / なしひと (15点 ACE2)
・評論のような語り方で、一つ一つの題材の取り上げ方や書き方にセンスを感じる
・第1回にふさわしい作品。下着の上にパーカー羽織りながら書いている女子大生の姿を想像しながら読んでいました。
・世の中そのものをコケにしたような、それでいてイキイキとした文体と、例え話の妙な説得力が合わさって、こう、すげえいけ好かねえ!(誉め言葉)
・Hey, Cortana. ぼんやり書こうと思ってたものを書かれた感があるよ
・自分が書きたいと思うような内容を遥かに超えるレベルの文章で書いてて、ある意味自分が今回原稿落ちしてて良かったと思った作品。タイトルの遊びも好み。
[あとがき]
アップルの「Siri」は、なぜアマゾンやGoogleの人工知能に後れをとってしまったのか|WIRED.jp https://wired.jp/2017/10/25/siri-why-have-you-fallen/
1位 胎動 / 淫卵 (17点 ACE3)
・オチが良かった
・なにもいうことがない。
・読んでて衝撃を受けた作品に久々に出逢った。これは凄い。「擬父」の使い方と締め方は見習いたいものがある
・ヤ~バイっすよ、これはぁ…。読んでる俺にも爪痕が刻まれたよ。結末もスゲエし、擬父ってキーワードもキッツくて最高なんだけど、タクシーで雨降ってるのに窓開けるシーンとかもマジヤバイっすよこれ。読んでる俺も気まずいもん。シリコンのイメージすら変えかねない傑作が出てきちまったな。
・これが今回の最後なのがまたシリコンのニクい所である。シリコンの新たな可能性を示してくれた作品。雑音というテーマが生々しく巧みに散りばめられていた。話の筋自体は至ってありきたりながら展開が上手く読まされる文章だった。擬父という言葉の使い方、それを使った締め方もあざやか。
[あとがき]
お久しぶりです、淫卵です。
働いてるから締切ギリギリまで粘れないと思って、逆に1週間前に仕上げてしまいました。
偉いでしょ?
久々のシリコンの割には、独特なものが書けたなと思います。
以前のシリコンでは、最後の一文でオチをつける手法を多用しすぎていたのと主人公がしみったれていたことが多かったので、この二つは避けようと思っていましたが、結局後者はいつも通りでしたね。
いつか女性主人公の作品を書いてみたいです。
あと、後味の悪い作品で申し訳ありません。
順番最後に来て嬉しいと同時に、酔客の後に読むもんでもないなと思いましたw
少し分かりにくい箇所だけ補足しようと思います。
主人公に「ゴロゴロ」と聞こえる理由です。
まず、子どもが生まれないことは、主人公にとって一応ハッピーエンドなのかなと思います。
自分の子供ではない場合はもちろんバッドエンドですが、自分の子供だった場合、主人公はそのことを妻には告げず、妻は不倫を続けるかもしくは不倫癖のようなものは残ってしまうでしょう。
子供より妻への愛が勝っていて親になり切れていない主人公にとって、これも望まれない事態です。
流産によって妻の愛を独占してしまう子供が生まれず、かつ妻は浮気をやめるということに少なからずほっとしていることでしょう。
しかし、その不謹慎な考えに罪悪感もあり、それが自身にバツを課す「ゴロゴロ」という耳鳴りに繋がるのかなと。
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